更新日:2022年03月2日
冬の雪道をノーマルタイヤで走るのは危険であり、そんな道で活躍するのがスタッドレスタイヤです。
雪道を走るために作られているタイヤですが、スタッドレスタイヤは夏に使うとどんな影響がでるでしょうか?
この記事で夏にスタッドレスタイヤを履いたまま車を走らせると、どんな影響がでるのか解説します。
目次
スタッドレスタイヤとは?
スタッドレスタイヤは、積雪した道路や凍結した道路でもスリップせず走れるように作られているタイヤです。
雪道や凍結路でも滑りにくいように、タイヤのグリップ力が高められています。
ノーマルタイヤよりも柔らかいゴムを使用しており、路面との接地面積が広くなるので十分な摩擦が発生し滑りやすい路面でもグリップ力を発揮します。
スタッドレスタイヤの溝はノーマルタイヤよりも深く、さらにサイプという細かい溝が多数あります。
このサイプによって路面との接地面積を増やし、グリップ力が高くなるのです。
スタッドレスタイヤのゴムは、気温の低い冬で使うことを想定しており、気温の高い夏での使用には適していません。
スタッドレスタイヤは冬が終わる、3月や4月に交換します。
柔らかいゴムを使っているために、気温が上がるとゴムが柔らかくなり、気温の高い中で使用すると路面の砂利や段差でタイヤがバーストする危険があります。
春や夏、秋にはその時期に使うことを想定して作られている、ノーマルタイヤに履き替えた方が良いです。
夏にスタッドレスタイヤを使わない方がいい理由とは?
夏にスタッドレスタイヤを使ってはいけないという法律はないので、夏場でもスタッドレスタイヤのまま走っても法律違反にはなりません。
しかし、夏場にはノーマルタイヤに履き替えた方が良いです。
スタッドレスタイヤは雪道で使用するように設計されており、ノーマルタイヤよりもゴムが柔らかいです。
タイヤの寿命が縮む
ゴムが柔らかいために摩耗しやすく、硬いコンクリートの路面を走るとゴムが摩耗して減り、スタッドレスタイヤの寿命が縮まります。
また夏場だと路面が高温になり紫外線が強いために、これらの要因でもタイヤの寿命を縮めます。
そして夏場使用したスタッドレスタイヤを、そのまま冬に使用するとタイヤの機能が低下しているために、路面でスリップする危険が増します。
ちなみに、夏にスタッドレスタイヤままでも車検に通りますが、タイヤの寿命や性能を縮めるので、夏場の使用はおすすめできません。
車の燃費が悪くなる
スタッドレスタイヤのゴムは、ノーマルタイヤのゴムより柔らかいです。
夏場に使用すると、路面と接するタイヤ面が多くなり、車を走行させるのにより多くの抵抗を生みます。
より抵抗が大きくなるので、それだけ大きなエネルギーを必要としてガソリンを沢山使うので燃費が下がります。
スタッドレスタイヤは夏場に使用すると、ノーマルタイヤよりも燃費が10%ほど下がると言われています。
もちろん電気自動車やハイブリッドカーを使用したときも、同じく燃費が悪くなります。
夏にスタッドレスタイヤを使用したときのリスク
雪道での使用を想定しているスタッドレスタイヤを、夏場の高温になったコンクリートの上で使用すると、いくつか車に影響がでます。
雨の日は滑りやすい
スタッドレスタイヤは雪道には強いですが、雨の降った路面では滑りやすいです。
柔らかいゴムを使っているタイヤであるために、雨の降った路面では水分を吸い込みやすく、タイヤが水を含みやすいです。
水を吸って柔らかくなったスタッドレスタイヤは、排水力が低下しハイドロブレーニング現象を起こしやすいです。
タイヤ表面と路面との間に水の膜が発生し、車が浮いて制御できなくなる現象です。
このために、雨の降った路面でのスタッドレスタイヤは滑りやすく危険です。
夏場はバーストしやすい
夏の炎天下だとタイヤが熱を持ちます。
柔らかいゴムで作られているスタッドレスタイヤは、高温によってさらに柔らかくなります。
炎天下では道路が熱を持っているので、余計にタイヤのゴムが熱を持ち柔らかくなっていきます。
ゴムが柔らかくなりタイヤが変形しやすくなるので、かかる負担が増えていきバーストする危険があります。
特に高速道路での走行や、傷のあるスタッドレスタイヤはバーストの可能性が高いです。
突然バーストが発生すると車の制御が効かなくなるので、大事故になる場合もあります。
また夏場のコンクリートの道路の上では制動力が落ちてブレーキが効きにくくなり、タイヤの深い溝によって発生するノイズが増えます。
夏にスタッドレスを使用すると、さまざまな悪影響があるのでノーマルタイヤに変えた方が良いです。
雪解けのシーズンにノーマルタイヤに交換するのが面倒だと思う方は、1年中使えるオールシーズンタイヤを使う方法もあります。
まとめ
スタッドレスタイヤはゴムが柔らかくなっており、冬場での使用を想定しています。
夏場に使用すると炎天下ではバーストの危険があり、雨の日は滑りやすくなるので、事故を起こす可能性が高まります。
また夏にスタッドレスタイヤを使用すると、タイヤの寿命を縮め性能を低下させます。
そのために、雪が溶ける3月や4月にはノーマルタイヤに交換しておきましょう。