更新日:2020年09月29日
車の塗装はボディの色合いを決めるのと同時に、車体を雨や埃、キズから守る役割もあります。
紫外線や水垢、鉄粉などがつくので、塗装は自然と劣化します。
塗装が劣化すれば見た目が悪くなるばかりではなく、塗装が剥がれる、ひび割れするなどして車体にダメージを与えることもあるのです。
車の塗装は何故劣化するのか、原因や防止策を解説します。
車の塗装の仕組みと劣化する原因
塗装は、下塗り、中塗り、上塗りの3つで構成されます。
・下塗り : 錆を防ぐコーティング
・中塗り : 色を綺麗に見せる塗装
・上塗りベース : 車体のカラーを決める塗装
・上塗りクリアー : 車体全体を保護するコーティング
上塗りは2層で構成されるので、塗装は全体で4層の構成です。
上塗りクリアーが劣化すると、紫外線や水垢が塗装面に入り込み、塗装が劣化します。
塗装を劣化させる原因は以下のようなものがあります。
・紫外線
・鉄粉
・水垢
・鳥のフン
この中でももっともダメージを与えるのが紫外線です。
紫外線によって、上塗りクリアー層が劣化し、チョーキング現象を引き起こします。
塗料に白い粉が発生する現象であり、色褪せを発生させます。
鉄粉は塗装面に付着すると錆の原因となり、水垢はイオンデポジットを作り、鳥のフンは酸性なので塗装を溶かします。
塗装の劣化が酷いと、塗装面の凹みやひびを発生させることもあります。
塗装を劣化させないための対策
塗装面をいつも綺麗な状態にして、紫外線や雨水が当たりにくいようにすれば、塗装の劣化を防げます。
劣化を防ぐためには、普段からメンテナンスをしておきます。
紫外線や雨水の当たらない場所に車を保管する
塗装は紫外線や雨水を浴びることで劣化します。
そのために、紫外線や雨水の当たらない場所で車を保管すれば、塗装の劣化を防げます。
屋根のあるガレージで保管するのが良いですが、屋外で保管するときには車にボディカバーをかけます。
ガレージがないという方は、テントのような簡易ガレージに車を停めることでも、塗装へのダメージを減らせます。
こまめに洗車する
塗装は花粉や鉄粉でも劣化します。
車を走らせれば、自然と花粉や鉄粉が塗装面に付着するので、劣化を防ぐにはこまめな洗車も欠かせません。
花粉や鉄粉が塗装面に付着したままにすると、塗装にシミができてしまい目立ちます。
洗車によって、花粉や鉄粉を取り除けば塗装の劣化を防げます。
洗車するときには、塗装面に埃や黄砂などが付着していることもあり、そのまま車を洗うと埃や黄砂が研磨剤のような役割を果たし車体を傷つけます。
まずは、水洗いで埃や黄砂を落としてから、洗車してください。
洗車したあとは、よくすすいで車体の洗剤を洗い流します。
最後に車体全体を乾拭きして、付着した水分を取り除いてください。
車体に水分が付着したままにしておくと、水垢を作ります。
コーティングする
ガレージへの保管やこまめな洗車が難しいとなれば、ボディコーティングすると塗装が劣化しません。
コーティングすることによって、塗装面に皮膜を作るので、皮膜が紫外線や水垢などから塗装を守ります。
コーティングは、以下の手順で行います。
・手洗い
・鉄粉除去
・コンパウンド
・脱脂
・コーティング
これらの手順で行い、先に塗装に付着した埃や鉄粉を取り除き、コンパウンドで塗装面を慣らし、脱脂してからコーティングです。
自分でコーティングするときはコンパウンドを省いても構いません。
コーティングは手洗いや下地処理などが必要なので、時間がかかり大変です。
そのために自分で行うよりも、プロの業者にしてもらった方が無難であり、失敗なくコーティングしてくれます。
劣化した塗装の輝きを取り戻すには?
ひび割れや凹みなどのある塗装は、塗り直しや板金しないと塗装を元の状態には戻せません。
くすみやシミがある程度ならば、コンパウンドで磨けば塗装が綺麗になることがあります。
コンパウンドで磨くときは、キズ消し、仕上げ、鏡面磨きの3つの順で塗装面を磨きます。
磨き用のコンパウンドが売っているので、それを使って自分で車を磨いても構いません。
磨くときには、ガラスや樹脂部分は養生してください。
自分で磨くのが難しいと感じたら、プロの業者に磨きを依頼してください。
ただしコンパウンドでの磨きは塗装面を研磨するので、場所によっては塗装が薄くなり、下塗りが見えるようになる場合もあります。
塗装の劣化が酷いときは、全塗装します。
最近の車だと何重にも塗装している場合や、独特の色の塗装を使っているので、そのような車の全塗装は、通常の塗装よりもお金がかかります。
まとめ
車は走らせれば紫外線を浴び、雨水で水垢ができ、花粉や黄砂、鉄粉が付着するので、何もしなければ自然と塗装が劣化していきます。
ガレージに車を停めて紫外線や雨水から車を守り、こまめに洗車しておくと、車体に付着した花粉や黄砂を取り除き、塗装の劣化を防げます。
ガレージがなく、洗車の時間がないという方は、コーティングがおすすめです。
コーティングするならば、プロの業者に依頼して失敗なくコーティングしてもらってはいかがでしょうか?